『ダーウィンの悪夢』http://www.bitters.co.jp/darwin/というドキュメンタリー映画のDVDを貸してもらったので見ました。
ショッキングな映像は無いのですが、タンザニアのヴィクトリア湖周辺に出現した外来魚が生んだ産業をめぐる地獄のような世界の物語。
人が集まることで更なる貧困を生み、売春婦が増え、エイズが蔓延し、ストリートチルドレンは溢れかえり、貧しさからくる暴力と飢えが更なる死を呼んでくる。
この巨大で恐ろしい顔の白身魚、ナイルバーチの輸出先の第二位は日本。安価な切り身の白身魚や、仕出し弁当、学校給食の白身フライなどにも使われているそうです。
あんまりな物語に、映画の背景を知ろうとネットをウロウロしていると、「こんなひどい話ばかりではない」「監督の主観が入り過ぎ」などの批判も目につきました。ま、そりゃそうだ。映画ってのはドキュメンタリーと言えど作ってる人の主観だからね。主観ですらなくて作為の場合もあるし。
それを読んでさらに思ったんです。いろんな角度からものを見るためにも、たくさん映画を見たり、たくさん本を読んだりするといいなあと。
監督のインタビューを読んだら「誰も知らない事実を暴いたのではなく、みんなが何となく知ってることを映画にしてより明確にしたかったのです」「自分の身近に安価で便利に流通しているダイヤモンドやバナナやについても同じような物語があるということについて考えてほしかったのです」というようなことをおっしゃっていました。
重要なのは「そのもの」ではなくて、自分自身がものを考える教養と知識を身につけること。本や映画はその最初の扉になることが多いです。ほんとうに困った時に自分を守ってくれるのは、お金でも家族でも宗教でもなくて、愛と健康と知恵だと信じているんです。最初はつまらなくても数をこなしているうちに楽しくなってくるのはスポーツと同じ。頭も鍛えよう!
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